林業・水産業と食料問題の一問一答と流れの解説
森林資源と林業、漁場の条件と水産業、食料の需給と食料問題を学びます。まず流れの解説を読み、一問一答(25問)と、用語から説明を選ぶ4択で確認します。
一度の正解は「正解済み」、別の日にも正解すると「定着」と表示します。
流れの解説
森林資源と林業
森林は、木材を生み出すだけでなく、雨水を蓄えて河川の流量を安定させる水源涵養機能や、土砂の流出を防ぐ働き、二酸化炭素を吸収する働きをもっています。森林の分布は気候と結び付いており、熱帯には常緑広葉樹の熱帯林、冷帯には針葉樹のタイガが広がります。
冷帯の針葉樹林は樹種がそろっているため伐採しやすく、軽く加工しやすい軟木は建築材やパルプの原料として大量に利用されています。熱帯林には多くの樹種が混じり、硬く重い硬木が多く産出します。東南アジアの熱帯林から産出するラワンは、合板の原料として日本にも多く輸入されてきました。
熱帯林では、木材の伐採に加えて、農地や牧場の開発、焼畑の休閑期間の短縮などで森林の減少が進んできました。森林を持続的に利用するため、適切に管理された森林からの木材であることを認証する取り組みも広がっています。
日本は国土の約3分の2を森林が占める森林の多い国ですが、木材の多くを輸入に頼ってきました。
漁場の条件と世界の漁業
好漁場の条件の一つは、魚のえさとなるプランクトンが豊富なことです。寒流と暖流がぶつかる潮目では、栄養分が豊かな寒流の水と暖流の水が混じり合ってプランクトンが増えます。水深200mくらいまでの大陸棚や、その中で特に浅いバンクも、日光が届いて生物が多く集まる好漁場です。
世界三大漁場とされるのは、北海を含む北東大西洋漁場、日本の近海を含む北西太平洋漁場、ニューファンドランド島沖のグランドバンクを含む北西大西洋漁場です。南アメリカのペルー沖では、寒流と湧昇流によって栄養分が豊富になり、アンチョビーが大量に漁獲されて魚粉の原料になります。ただし、エルニーニョ現象が起こると漁獲量が大きく減ります。
漁業資源は再生する資源ですが、とりすぎれば減ってしまいます。世界の漁獲量は20世紀後半に大きく増えましたが、資源の減少が心配される魚種も多く、国際的な資源管理が進められています。近年は、天然の漁獲よりも養殖による生産の伸びが大きくなっています。
日本の水産業の変化
日本の水産業は、沿岸漁業・沖合漁業・遠洋漁業に分けられます。遠洋漁業は、1970年代に各国が200海里の漁業専管水域(のちの排他的経済水域)を設定して外国の漁船の操業を制限したことなどで、大きく衰退しました。その後、沖合漁業も魚の資源の減少などで生産量を減らし、日本は水産物を多く輸入するようになりました。
とる漁業から育てる漁業への転換も進められています。いけすなどで魚や貝を育てる養殖業や、稚魚を放流して成長した後にとる栽培漁業がその例です。資源を守るため、日本は魚種ごとに漁獲可能量を定めて管理しています。一方、東南アジアなどではマングローブ林を切り開いてえびの養殖池が造成され、環境への影響が問題になりました。
日本の林業も、外国産の安い木材の輸入が増えたことや、林業で働く人の減少と高齢化によって衰えました。戦後に植林されたすぎやひのきの人工林が利用の時期を迎えており、国産材の利用を広げる取り組みが行われています。
食料の需給と食料問題
世界全体では人口を養うのに足りる食料が生産されていますが、地域による偏りが大きく、飢餓や栄養不足に苦しむ人々がいる一方で、先進国では大量の食品ロスが生じています。国際連合の専門機関である国連食糧農業機関(FAO)は、飢餓の解消や農業の発展に向けた国際協力を進めています。
日本の食料自給率は先進国の中で低い水準にあり、多くの食料を海外からの輸入に頼っています。輸入量に輸送距離をかけて求めるフードマイレージが大きいことは、輸送に伴う環境への負荷が大きいことを意味します。食料の輸入が増えた背景には、食生活の変化や、海外の大規模な農業との価格の差があります。
発展途上国では人口の増加に食料の生産が追いつかない地域があり、干ばつや紛争が起こると食料不足が深刻になります。一方、経済成長した国々では肉の消費が増え、家畜の飼料となる穀物の需要が高まっています。
農業・食料をめぐる新しい動き
食の安全や地域の活性化への関心から、地域で生産されたものを地域で消費する地産地消の取り組みが広がっています。農林水産業者が生産だけでなく加工や販売まで手がける6次産業化は、付加価値を高めて地域の所得を増やすことをめざしています。地域の特性と結び付いた産品の名称を国が登録して保護する地理的表示の制度も設けられました。
一方、病害虫への耐性などを持たせた遺伝子組み換え作物は、アメリカ合衆国やブラジルなどで広く栽培されていますが、安全性や生態系への影響をめぐってさまざまな意見があります。食料の生産と環境の保全、安全と効率をどう両立させるかが問われています。
食料を安定して確保するには、国内の生産を維持しながら、輸入先を分散させ、備蓄を整えることも必要です。
一問一答
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